2020.05.17
今回は、複数のママたちの疑問「椅子に座って食事を食べ始めるのはいつ頃から?」です。
基本的には『座っている姿勢(座位)が安定してから』が良いのではないかと考えています。
安定した座位を保てるようになって初めて、両手が自由に使えるようになるという理由です。
よくベビーラックのような椅子に座って食べている姿を目にします。大人と向かい合って食べるという意味では良いと思われますが、赤ちゃんの姿勢を見てみると、深い椅子の背もたれにふんずりかえって(広島弁?)座り、食事をしている間に体が斜めになっていることが少なくありません。それでは胃を圧迫したりモグモグするのに力が入らなかったり、手を動かしにくかったりと、食べることに妨げとなることが生じてきます。
座位が安定してきたら、足が床(足置き台)に着く高さに椅子を調節することでしっかりと姿勢を保ちながら両手を動かして食べられるのではないでしょうか。
そこでお客様Aちゃんに、お店の子ども椅子に座ってもらった写真を撮らせて頂きました。
・Aちゃんの足は座面に乗ったりせず、下に下りています。しかし、座面が少し高いようで足がブラブラしているようです。これでは安定した姿勢を保ったまま食事をすることは難しいかも・・・。
・お風呂マットのようなものを2枚重ね、椅子の前足が入るように穴を開けて、そこに椅子の前足を差し込んでみました。随分安定してきたようです。(足置きを置くだけでは足で蹴飛ばしてしまうので、足置きが移動しないようにするために椅子の足を差し込んでいます)
・椅子が深く、ふんずり反ってしまうようでしたら、余ったマットを背部にも入れても良いでしょう。
カテゴリーアーカイブ: 育児
ことばかけ(2.あそびを見守ろう)
カテゴリー: 育児2019.11.11
今回は、Baumkroneのお客様“月齢9か月のRちゃんのママ”のエピソードからお話をすすめていきます。
ママは最近ちょっとした不安と戸惑いを抱いているようでした。それは「毎日一緒に遊んでると関わりがマンネリ化してくる。」「どう関わったらいいの?」「本当にこれでいいの?」ということでした。
Rちゃんはママが何か遊んで見せると、それをじっと見ていて真似たり試したり、ママの顔を見たり・・・。ママがそばにいれば一人であちこちに移動して、おもちゃや興味をもった物を積極的に触ったり舐めたり音を鳴らしたりご機嫌で探索活動を楽しみ、充分に満たされて遊んでいる様子でした。
同じような不安を抱いているお母さんたちは多くいらっしゃいます。“退屈させたくない”“しっかりと愛情を伝えたい”“何か教育的に良い事をしてあげたい”・・・。そして、良かれと思って声をかけたり、次々とおもちゃを見せたり、音を出して興味を引き付けたりしているようです。
子どもが一人で意欲的に機嫌よく遊んでいる時は、“あそびに夢中になっている時。”“意欲をもっている時”“学習している時”です。そんな時に必要以上に声をかけたりすると気が散ってしまうことがあります。
“しっかりと遊び込む”時間、“一人あそび”も大切です。ただ、「いい子して遊んでいるから放っておいても良い」という意味ではありません。ここで大切なのは“見守る”こと。子どもは遊んでいる時もお母さんの存在を意識しています。見える場所にお母さんが居る。ふと振り返った時、何か達成した時に目が合ったり、うなづいてもらったりするだけでまた安心してあそびを継続できるのです。
おとなとの安定したかかわりの中で遊ぶことは、優しさやコミュニケーション能力を高めます。しかし、絶えずかかわっていないといけないということは決してありませんから、無理せず楽しみながら一緒の時間を過ごして下さい。
ことばかけ(1.行為にことばを添えて)
カテゴリー: 育児2019.10
「小さなあかちゃん、まだことばは理解できない。」でもいつからできるようになるの?ある日突然?
赤ちゃんのオムツを換える時、みなさんはどのようにあかちゃんと接しながらオムツを換えますか。“黙って静かに換える”“おもちゃであやしながら換える”“「ベロベロバー」など、ことばかけをして楽しく換える”“「オムツ換えるよ」「ズボンはこうね」などことばをかけながら換える”・・・。さまざまなスタイルがあると思われますが、できるなら最後に紹介したパターンのように、1つ1つの動作をことばに出して換えてあげることをお薦めします。
人間は何かしら行動を起こす時、その殆どが行為をことばに置き換えてから行動を開始します。自分自身を振り返っても心当たりがありますね。そこで「オムツ換えるよ」「お尻をあげてね」「気持ち良くなったね」など、行為や気持ちをことばに置き換えながらお世話をすると子どもは、これからお母さんにしてもらえることを予測したり、何をしてもらっているのかを意識・理解したり、気持ちを共有したりできるのです。
突然抱きかかえられて寝かされて服を脱がされる。大人は「オムツを換えてあげよう」と考えて行動していても、子どもには伝わっていないのですから、突然の態勢変化に驚き、泣いたりぐずったりしてしまいます。
機嫌が悪くておもちゃであやしながら対応しなければいけないことも勿論あるかとは思いますが、行為にことばを添えることを意識してみてください。ことばが少し分かるようになったら、「おしりあげて」と言うと、キューっとお尻を持ち上げたり、ズボンを履く時に「足、バーッ!」と言うとズボンに足を入れようとしたりという協力動作が出てきます。
そして、自分で「バーッ」と言いながらズボンを履くようになっていくのです。また、きれいになったことを喜ぶ大人と気持ちを共有し、心をつなげていくことになります。例えば手を洗う時も「ゴシゴシ」と石鹸を使い、「ジャブジャブ」とすすぎ、「パッパ」と水気を振り落とす。その流れを意識しながらきれいに手洗いができるといった具合です。
いつも、よそ見をしながら靴を履いたりなどの行動をしているお子さんの姿を目にします。靴を履くことよりも回りに意識がいっているのでしょう。意識しながら行動するのとそうでないのでは長い間に大きな差が出てくることは予測されます。“行為にことばを添える”“行為をことばに換える”ことを大切に思います。
おもちゃ選びは献立て選び
カテゴリー: 育児2019.9.3
お店に来られる親子連れのお客様が、おもちゃを選ばれる時によく耳にするのが「どれにする?」とお母さんが子どもさんに聞かれる声です。子どもさんはもちろん「これ!」と実際に手に取って遊んでみて楽しかったものを選びます。もしくは「これと、これと、これ」と言う風に楽しかったもの全部を選びます。そこで、親御さんは「ママはこれがいいんだけどなあ」というやりとりです。
子どもに“主体性をもって選ばせる”“楽しいと感じたものなら意欲的に遊んでくれる”と感じておられるから「どれにする?」と聞かれたのでしょう。しかし、親御さんの「ママはこれがいいんだけどなあ」のことばの中にも、親御さんの“ねらい”が込められていると私は感じています。
ここで幼児教育に精通したある方のことばをお借りします。「夕飯の献立を選ぶとき、常に子どもに何が食べたいか聞きますか?」「子どもの身体に何が必要か大人がかんがえるでしょ?おもちゃも、親がねらいをもって選ぶことがあってもよいのです。」と言われました。
いろんな考え方があると思いますが、私はまさにその通りだと思いました。子どもが興味をもっているものを与えることも大切ですが、苦手なこと(苦手な食べ物)、あまり興味を示さなかったこと(好んで食べないもの)に目を向け体験することで世界が広がる(食べず嫌いを克服する)。それには大人の願いと工夫が必要だと思われますが。
私が永年携わっていた保育の現場でも、一人一人の子どもやクラスの状態を考え、保育士がねらいをもっておもちゃを選んでいました。「ママはこれがいいんだけどなあ」それも時には大正解です💛
身近な存在“お人形”
カテゴリー: 介護, 玩具, 育児
私たちの身近なお人形。古来は自然物を素材として“人形(ひとがた)”を作って病気や災難を除く身代わりとしての道具でありました。それが、“人形(にんぎょう)”として子どもの愛玩物になってきたようです。
人形も置物として飾られるもの、美術品のように眺めて楽しむものもありますが、身近に感じられるのは素材の感触を楽しんだり、世話あそび・ごっこ遊びを楽しむためのお人形ですよね。
子ども自身がお母さんにしてもらっていることを模倣してお世話をしてあげている姿をよく目にします。時にはお母さんの立場にになってみたり、自分がしてもらいたいことをお人形にしてあげて、自分の気持ちを映し出したりすることもあります。
嬉しいこと、悲しいことをぶつける存在にもなります。そんな時は“話し相手”ともなっているのです。
ここである事例をお話しします。お人形を愛するのは子どもだけではありません。話すことの無くなった高齢者にお人形を渡すと、突然ことばを発し、話しかけ始めたという事例もあるそうです。最近、病院でもお人形を治療の説明に使うところが出てきているそうです。人形の身体を使って治療の場所や方法をを明確にすることで納得し、不安を和らげるのに役立つというのです。
人の身体のつくりを認識させたい目的ですと、手足の指・目・鼻・耳などはっきりとしたつくりのお人形があります。いつも一緒にいる安心できるお人形なら感触の良い素材でできたものがいいと思われます。
お人形の形状・表情・素材・大きさ・重さなど、子どもさんが親しめるもの、大人側の目的・・・。いろいろ考えますが、どれにせよ人の心を引き出すお人形は大切な玩具です。優しさと親しみを感じられるお人形を選びたいですね。
主な素材はコットン、毛糸肌触りがとても気持ち良く優しい気持ちになります
自分で自由に肉付けしたり、洋服をきせたりする製作用ですが、人間の身体のつくりを認識させる教材としてもつかわれます
“ハイハイ”が大切なことは多くの方がご存知だと思います。これから折に触れてハイハイの大切さについてお伝えしていきたいと思いますが、まず今回は「“お座り”と“ハイハイ”どっちが先?」という質問について一枚の写真から読み取れる事例でお話します。写真はお店のお客様「Yちゃんとお母さん」です。Yちゃんはうつ伏せ姿勢になるのがあまり好きではなかったそうで、お座りならご機嫌で遊んでいたようです。お母さんはYちゃんがハイハイする姿を楽しみにしておられましたが、その日はなかなかやって来ませんでした。そこで「機嫌の良い時、少しずつうつ伏せ姿勢の機会を増やしていきましょう。」と二人で相談しました。Yちゃんのお母さんは直ぐに実行!・・・それから数日後、写真の姿が・・・💛 お店の中で、気になるおもちゃに向かってぐーんと手をのばし、足の指で床を蹴って前に進もうとしている姿です。この姿勢から自分でお座りもできるようになったそうです。“目的の所に移動する”“両手が自由に使える”ことは子どもの好奇心や探索意欲、身体の操作性などを養い満たすのです。“お座り”と“ハイハイ”「どちらを先に?」絶対的な決まりや答えはありませんが、この事例から読み取れることがあるのではないかと思います。座ってばかりではなくハイハイがしっかりとできる環境をつくってあげることは絶対的に大切だと感じています。
両腕で支えてしっかりと胸をもちあげているYちゃん
おもちゃを触ろうとぐーんと腕を伸ばしています
おしりが持ち上がっているのもよくわかります
足の指が開いて力強く床を蹴ろうとしています
戸外あそびが楽しい季節がやってきた♡
カテゴリー: 育児吹く風が優しく気持ちの良い季節がやってきましたね。
これまで「外で遊ぶのはちょっと…。」とついつい室内で遊びがちだった方も、もう大丈夫。しっかりと戸外であそびを楽しんでください。
“外で遊ぶ”ということは、ただ単に身体を動かして運動をするということだけではありません。お子さんにとって心と体の栄養となる要素がたくさんあるので、その中の一部をご紹介してみたいと思います。
真っ先に考え付くのが『身体能力の発達を助ける』ということですね。
器用さや持久力、力、速さ、柔軟さ、弾力性を養い、日常生活に必要な動きの技能や技術を可能にしていきます。
ほかに『身体組織の多面的発達を助ける』という要素もあります。
少し難しいことばになりましたが、筋肉や関節、骨、内臓器官、感覚、呼吸、血液循環器官・・・。などの強化や制御にも影響するのです。
そして『知的発達を促す』ことにも役立ちます。
さまざまな状況を判断し活動することは、空間関係・物の名称・数の理解・注意力・記憶力・創造力を育て、身体と精神を発達させるのです。
また『自分の身体を知る』要素でもあります。
身体を動かすことにより、体の触覚、運動、視覚的情報が統合されてスムーズな動きができるようになります。
このほか、開放的で穏やかな気持ちになって『心の安定感』にもつながっていきます。
一部あげただけでもこんなにいいことがたくさんあります。
公園まで行けなくても、おうちの周りを散歩するだけ。歩いて買い物に行くだけでも家の中にいるだけとは随分違って刺激があります。
黙って歩くよりも、見えた景色や気づいたことを「小鳥が鳴いてるね」「○○が見えるね」「○○の匂いがするよ」などと話しかけながら五感を刺激しながら歩くことで脳が働き、好奇心と意欲ももてるのです。
とっても気持ちのよう季節だから、しっかり戸外で遊びましょう。
PS:幼稚園や保育園の園庭解放なども利用してみるのもお薦めです。